舌下免疫療法について | 千葉県船橋市 いとう耳鼻咽喉科

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シダキュアミティキュア写真

舌下免疫療法概要

舌下免疫療法は、アレルゲン(アレルギーの原因)を少しずつ投与し身体に慣らしていくことで、スギ花粉症などアレルギー症状の軽減をはかる治療法です。くしゃみや鼻水などの症状を和らげる薬とは異なり、アレルギー体質そのものを変える根本的な治療法です。

患者さんの7〜8割は症状が軽くなり、さらにそのうち1割は症状が出なくなるといわれております。(※しかし残り2割の方は治療前と変わらないといわれております。)

舌下免疫療法による治療では最低3年間程度、毎日1回の服薬を継続する必要があります。

2020年6月現在、当院ではスギ花粉症に対する舌下錠「シダキュア」、またダニが原因のアレルギー性鼻炎に対する舌下錠「ミティキュア」を処方いたしております。

花粉症について、院長が執筆した記事も合わせてお読みください。(日本オーソモレキュラー医学会Webサイト掲載)

花粉症と治療法(前編) 花粉症と治療法(後編)

舌下免疫療法は特にこのような方におすすめです

  1. 花粉症やアレルギーの薬がたくさん必要なので、少しでも症状をよくするか、薬を減らしたい。
  2. 眠気など、副作用があるのであまり花粉症の薬は飲みたくない。
  3. まだ若いので、これから毎年ずっと花粉症で悩みたくない。
  4. 将来妊娠した際は薬が服用できないため、今のうちに花粉症を治しておきたい。
  5. 高校、大学などの受験時期がスギ花粉症の時期と重なるので、今のうちから少しでもよくしておきたい。

舌下免疫療法の適応

  1. 7歳(小学生)以上で血液検査が可能な方。
  2. 病因アレルゲンの確定診断が行われていること。(シダキュア:スギ花粉 ミティキュア:ダニ抗原)
  3. 舌下免疫療法の確認事項の説明を受け、理解して頂いた上でそれに同意頂くこと。

※除外基準もあり、適応にならない場合もあります。治療を希望される場合、詳細は受診時に説明させて頂きます。

以下にあてはまる方は当院で舌下免疫療法を行うことはできません

  1. 65歳以上の方。
  2. β阻害薬(高血圧、狭心症や不整脈の治療薬)を服用中の方。
  3. 治療開始時に妊娠している方。
  4. 重症の気管支喘息の方。
  5. 悪性腫瘍、自己免疫疾患、免疫不全症、重症心疾患、慢性感染症など、重篤な疾患をお持ちの方。
  6. ステロイド薬を服用中の方。
  7. 重症の口腔アレルギー症候群の方。
  8. 転居の予定がある方、当院への通院継続が困難な方。

舌下免疫療法で効果をあげるために(スギ花粉症の場合)

花粉飛散の3ヵ月前までの治療開始が必要です。船橋市は2月上旬ぐらいから花粉飛散がはじまることを考えると、少なくとも11月までに治療開始することが望ましいです。錠剤は、3年間の治療中は花粉飛散シーズン外でも毎日投与する必要があります。

花粉が飛びはじめてから治療を開始すると、アレルゲンとの接触量が増えることでアナフィラキシーショックを起こす可能性が高まることから、花粉飛散の時期に治療を開始することはできません。

舌下免疫療法を行なっていても、花粉症の症状がでた場合は他のお薬を使用しても構いません。我慢せずに適切な薬の併用をお勧めします。

ただし、ステロイド剤の内服薬は、全身の免疫能を減らすことがありますので併用を控えていただきます。舌下免疫療法は免疫の力で体質を改善する治療のためです。ステロイド剤の点眼薬や点鼻薬であれば、全身に作用しませんので、舌下免疫療法と併用しても構いません。

舌下免疫療法の副作用

舌下免疫療法の副作用としては、アナフィラキシーショック、口腔内のかゆみ、喘息発作、腹痛、嘔吐などがあります。

このうちアナフィラキシーショックは重篤になると命にかかわることがあります。最初は口や手足のしびれ、じんま疹、冷や汗などで始まりますが、しだいに脈が非常に弱くなり、血圧が急激に低下するのが特徴です。そのまま放置しますと、呼吸困難、チアノーゼ(動脈血の酸素不足のため皮膚や粘膜が青白くなる反応)、意識を失うといった激烈な反応が現われます。

アナフィラキシーショックが出現した場合は、専門医の指示のもと治療を行う必要があります。アナフィラキシーについて詳しく知りたい方はアナフィラキシーってなあに.jpのWebサイトをご覧ください。

副作用の発現を避けるため、必ずお守りください

  1. 舌下での服用後、5分間はうがいや飲食を避けてください。舌下へのエキス投与後に避けること1
  2. 舌下での服用前後2時間は、激しい運動や入浴などは避けてください。舌下へのエキス投与後に避けること2

舌下免疫療法開始までの流れ(シダキュアの場合)

初診時にはアレルギー検査を行います。(初診の日に舌下免疫療法を開始することはありません。)治療方法を了解し、検査結果をお伝えした後に、舌下免疫療法を行うかどうか検討していただくようお願いしております。

「シダキュア」の初回投与を院内で行います。舌下にシダキュアを入れ、1分間保持し、その後飲み込みます。
30分間は院内にて安静に過ごしていただき、副作用が出ないかどうかを経過を観察させていただきます。30分後に再度診察を行い、副作用がないことを確認します。
問題がなければ今後の治療方法を説明して終了となります。初回の処方の際には説明確認、薬の処方、経過観察などで約1時間の時間を要します。

シダキュア初回投与後待機

初回は特に重篤な副作用の発現の可能性もありますので、月、火、水、金曜日の午前10時30分までに受付をすませてお待ちいただきますようお願い申し上げます。

1週間後に再診していただき、副反応がないことを確認した上で、二回目の処方をいたします。その他舌下免疫療法について、詳しくはいとう耳鼻咽喉科でご相談ください。

舌下免疫療法についてよくある質問

Q1 シダキュア、ミティキュアはどの病院でも取り扱っていますか?

シダキュア、ミティキュアは講習を受けて試験に合格した医師しか処方できません。すべての病院で取り扱っているわけではありませんので、事前に調べてから受診することをおすすめします。

舌下免疫療法施設検索(アレルゲン免疫療法ナビ)

Q2 シダキュア、ミティキュアは保険が使えますか?

保険が適用されます。診療の内容によって違う場合がありますが、診察代、処方箋料、お薬代がかかります。

Q3 どれくらいの頻度で病院を受診しなくてはなりませんか?

個人差がありますが、開始後1週間目からの増量期には、副反応が出現する場合がありますので、受診が必要となります。それ以降は、問題がなければ1か月に1回の受診となります。

Q4 シダキュア、ミティキュアのメリットは何ですか?

注射と違って、痛みもなく、自宅で行えますので継続しやすい治療法です。また、現在花粉症やダニアレルギー治療法の中で、唯一根治が期待できる治療法です。根治しなくても軽症化によって薬の量を減らせる可能性があります。

Q5 シダキュア、ミティキュアのデメリットは何ですか?

数年にわたる毎日の治療の継続が必要で、即効性はありません。薬剤に対する急性の過敏反応(アナフィラキシー)を起こす可能性があります。また、全ての方に効果があるわけではありません。

シダキュア®概要(鳥居薬品Webサイトより)

製品名

  • シダキュア®スギ花粉舌下錠2,000JAU
  • シダキュア®スギ花粉舌下錠5,000JAU

効能・効果

スギ花粉症(減感作療法)

用法及び用量

通常、投与開始後1週間は、シダキュア®スギ花粉舌下錠2,000JAUを1日1回1錠、投与2週目以降は、シダキュア®スギ花粉舌下錠5,000JAUを1日1回1錠、舌下にて1分間保持した後、飲み込む。その後5分間は、うがいや飲食を控える。

包装

  1. シダキュア®スギ花粉舌下錠2,000JAU:ブリスター包装 7錠(7錠×1)
  2. シダキュア®スギ花粉舌下錠5,000JAU:ブリスター包装 10錠(10錠×1)、100錠(10錠×10)

取扱い上の注意

本剤は小児の手の届かない所に保管すること

承認条件

  1. 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
  2. 舌下投与による減感作療法に関する十分な知識・経験をもつ医師によってのみ処方・使用されるとともに、本剤のリスク等について十分に管理・説明できる医師・医療機関のもとでのみ用いられ、薬局においては調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤がなされるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。

ミティキュア®概要(鳥居薬品Webサイトより)

製品名

  • ミティキュア®ダニ舌下錠3,300JAU
  • ミティキュア®ダニ舌下錠10,000JAU

効能・効果

ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎に対する減感作療法

用法及び用量

通常、投与開始後1週間は、ミティキュア®ダニ舌下錠3,300JAUを1日1回1錠、投与2週目以降は、ミティキュア®ダニ舌下錠10,000JAUを1日1回1錠、舌下にて1分間保持した後、飲み込む。その後5分間は、うがいや飲食を控える。

包装

  1. ミティキュア®ダニ舌下錠3,300JAU:ブリスター包装 7錠(7錠×1)
  2. ミティキュア®ダニ舌下錠10,000JAU:ブリスター包装 10錠(10錠×1)、100錠(10錠×10)

取扱い上の注意

本剤は小児の手の届かない所に保管すること

承認条件

  1. 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
  2. 舌下投与による減感作療法に関する十分な知識・経験をもつ医師によってのみ処方・使用されるとともに、本剤のリスク等について十分に管理・説明できる医師・医療機関のもとでのみ用いられ、薬局においては調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤がなされるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。

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